PBAT ― ポリブチレンアジペートテレフタレート
1. PBATとは
PBAT(Poly Butylene Adipate Telephtalate:ポリブチレンアジペートテレフタレート)は生分解性樹脂であり、汎用モノマーであるアジピン酸、テレフタル酸および1.4-ブタンジオールを主体とした、脂肪族と芳香族を兼ね備えたランダム共重合ポリエステルである。機械的強度・加工適性・生分解性のバランスを最適化して構造設計された生分解性樹脂であるため、一定の物性強度を持ちながら、特定の環境下ではしっかり分解する特性を合わせ持つ、実用性の高い生分解性樹脂と言える。PBATの歴史としてはドイツのBASFが1990年代に開発し、1998年から量産・販売を開始し、日本市場では2000年から販売をスタートしている。BASFでは一部のモノマーにバイオ由来の原料を用いたグレードに加えて、バイオマスバランス品の販売も行っており、PCF(プロダクトカーボンフットプリント)低減への対応も進めている。近年では世界的な需要の高まりに伴い、主に中国を中心としたアジア圏でPBATメーカーが増えており、2024年時点における全世界の生産能力は100万トンを超えると言われている。