CA ー 酢酸セルロース
1. 酢酸セルロース概略
酢酸セルロースは木材や綿花など,非可食性植物由来のセルロースの水酸基をアセチル化することで得られる半天然高分子である。セルロースを構成するβ-D-無水グルコピラノース残基の2位,3位および6位の3つの水酸基(図1においてORとして表記)のうち,酢酸(アセチル基)で置換された数の平均値は置換度(DS:Degree of Substitution)と呼ばれる。酢酸セルロースのガラス転移温度(Tg)は、190~200℃程度1,2)であり、ポリ乳酸などの既知のバイオプラスチックに比べ耐熱性は良好である。しかし、熱流動性はほとんど発現しないため、プラスチック用途に使用する場合は、一般的に可塑剤を添加し熱流動性を発現させる。
酢酸セルロースはDSによって物性と用途が異なり,例としてはDS2.9の酢酸セルロースはTACと呼ばれ液晶ディスプレイ用の偏光板保護フィルムなどとして使われ3),DS2.5の酢酸セルロースはたばこフィルター用繊維などとして使われる他,可塑剤を加えてメガネフレームなどのプラスチック素材として使われる4,5)。一般的に酢酸セルロースといえばこのDS2.5の酢酸セルロースを指すことが多く,工業的製法で使用される酢酸は石化由来であることから,バイオマス度は約50~60%である。